音戸の舟唄

 

音戸の舟唄

「淀川三十石船舟唄」「最上川舟唄」と並ぶ日本三大舟唄のひとつ。平清盛が切り開いたとされる音戸の瀬戸で、櫓がしわる(曲がる)ほど強い潮の流れとたたかいながら行き来した船頭たちによっていつとはなく唄われ始めたとされるが、歌詞や曲の制作者ははっきりしていない。

明治時代に発刊された「日本史蹟」に現在と同じ歌詞の記載があるので、少なくともその時代には既に歌い継がれて来ていたことが分かる。

「日本史蹟. 天之巻」(国立国会図書館) (https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/770778/46)。赤枠は当サイトにて加工。

昭和30年頃からテレビやラジオで音戸町の高山訓昌氏が唄う音戸の舟唄が何度も放送されたことで、海から陸上へと舞台を変え、多くの人に親しまれるようになった。そのためか「音戸の舟唄」といえば高山節(高山氏の歌い方)が主流となっている。昭和54年には「清盛祭」とともに音戸町の無形民俗文化財に指定されており、2008年から毎年開催されている「音戸の舟唄全国大会」では日本各地から出場者が集まるなど、音戸町を代表する文化の一つとして深く地域に根付いている。


現在は「音戸の舟唄を全国に広めた高山訓昌氏の志を引き継ぎ、「音戸の舟唄」を残していくと共に、「音戸の舟唄」をますます広め、呉市・音戸町の発展に役立つこと」を目的とした「音戸の舟唄保存会」がその目的を果たすべく地域で舟唄教室を開催したりイベントに出演するなど多岐に渡って尽力している。絶賛会員募集中。

音戸の舟唄

 

<合いの手>「ハー ドッコイ ドッコイ」

ヤーレ 船頭可哀せんどうかあいや 音戸おんど瀬戸せとでヨー <合いの手>

一丈五尺いちじょうごしゃくの ヤーレノーエ がしわるヨー <合いの手>

「音戸の舟唄」 音戸の舟唄保存会